ビジネスホン(ビジネスフォン)を設置する際には、家庭用の電話機と異なり、電話機を購入して電話線につないだら完了、というわけにはいきません。オフィスを立ち上げる際、移転する際、オフィスの拡張によりビジネスホンを拡張する際には、いずれも設置工事を行う必要があります。そして、工事のためには設置費用が発生します。
ほとんどの方にとって、ビジネスホン設置の費用はどのくらいの金額がかかるかは想像もつかないことかと思います。今回の記事では、ビジネスホンを設置する際に、どのような項目で費用が発生するかについて解説いたします。
▶目次
1、ビジネスホンの設置費用
ビジネスホン(ビジネスフォン)を設置する際には、販売店や設置業者に対して設置費用が発生します。
人件費
ビジネスホン設置工事を業者に依頼する際には、人件費が発生します。
人件費は、人数×作業時間×単価になりますので、ビジネスフォンの設置規模が大きくなればなるほど必要になる金額は高くなります。
目安としては、1人1日あたり1~2万円程度です。
主装置設置費、システム設計費
ビジネスフォンとしての機能を各子機に持たせるためには、主装置を設置し、システムの設定を行う必要があります。主装置というのは、ビジネスフォンの交換機の役割を果たすものであり、主装置を通すことによって外線・内線ともにビジネスフォンとして音声通話ができるようになります。
主装置の設定は、専門業者でなければ困難な内容となっており、ほとんどの場合、ビジネスフォン設置工事の際に一緒に設定作業を行います。
こちらも、接続台数が多ければ多いほど設定作業が多くなるため、単価は高くなる傾向にあります。また、コールセンターや構内放送など特殊な設定を行う場合には、追加の費用項目が発生する場合があります。
端末設置、配線
ビジネスフォンを各デスクに設置し、主装置とビジネスホン子機をケーブルで配線します。
多くの場合では、主装置とビジネスホン子機の中間地点でハブを経由し、ハブから各ビジネスフォンに配線を行います。
最近主流となっているIP電話の配線を行う際には、電話回線ではなくインターネット回線を使用しますので、有線LANに接続するタイプの配線もあります。
配線の距離や環境によって金額が変動しますので、一概には言えませんが電話機一台につき数千円~の費用が発生します。
材料費
ビジネスホンを接続するためのケーブルやハブなどこまごました備品の費用が発生します。ケーブルやハブは1個あたりの単価は決して高くありませんが、オフィス全体の設置工事を行う際には、トータルで数千円~数万円規模になります。
諸経費
電話工事を行う際には、慣習的に諸経費として1万円~2万円程度の費用が請求されます。慣習的な特性もあるので、費用の根拠が明確ではないこともありますが、どの業者でもほとんど諸経費を請求していますので、割り切って考えたほうが良いでしょう。また、工事管理費や交通費、駐車場代、現地調査費など諸経費の他に工事に関連して必要になるケースもあります。
2、電話工事業者以外でかかる費用
ビジネスホン設置工事業者に支払う以外にも、ビジネスホンの工事に関連して発生する可能性のある費用があります。
OAフロア工事
特にオフィスを新設したり、移設したりするために新たにテナント物件を借りる際、オフィスにOAフロアの環境が整っていない場合があります。
OAフロアとは、床下にケーブルを配線するための設備のことです。
OAフロアは必須ではありませんが、床下に隠さなければケーブルがかなり煩雑になってしまい、見た目が良くないだけでなく業務効率も落としてしまいます。実際に、ほとんどのオフィスではOAフロアに対応しています。
インターネット工事
IPビジネスフォンを導入する場合には、インターネット回線を使用して音声通話をはじめとした機能が利用できるようになります。そのため、電話設置工事に先立って、インターネット工事が不可欠になります。
インターネットのLAN配線を行う際には、電話回線の配線作業とあわせて行うのが非常に効果的です。
3、まとめ
この記事では、ビジネスホン(ビジネスフォン)設置にかかる費用について、電話工事業者への工事費を中心に解説しています。
当然ですが、この記事に記載した設置工事費の他にビジネスフォン本体の費用、主装置の費用も発生します。設置工事費や電話機本体の価格は状況に応じてまちまちで、何台の導入だからこの程度の費用相場、という風な相場はありません。
できるだけ費用を抑えて工事を行うには、複数の工事業者に見積もりを取って、費用が適正か否かを比較しながら精査していくのが現実的な手段です。
OAフロアやネット環境など電話工事を行う前に電話が設置できる環境にオフィスを準備しておくことも重要です。